先ほどベーハ小屋の中を見せてもらった家と同じ集落にもうひとつベーハ小屋らしきものがあった。
(外観の写真撮り忘れ)
屋根が本瓦葺だ。越屋根はないが、たぶん改修で撤去したのだと思う。
改修だと思う根拠は、屋敷側の妻の破風板が切れているからだ。切れかたを見ると篠原家の物件とよく似ている。
改修された時代は比較的古く、本瓦葺であることもあいまって最初からこういう造りだったような時代感は出ているが。
いまは物置になっていてちょっと散らかっていたが、中を見せてもらった。
破風が切れていない側の天井。
篠原家のベーハ小屋にあった桁は存在せず、内部の架構はだいぶ違っている。建てられた年代か大工が違うのだろう。
破風が切れている側の天井。不思議な枡型の設備がある(矢印)。
越屋根は撤去されているにもかかわらず、大棟のところに45cmくらいの奥行きがある。天井にこれだけの段差が作れるということは、天井裏があるということ?
いままで私は大阪式ベーハ小屋の天井の小舞は化粧屋根裏かと思っていたのだけど、実は土天井で天井裏があるタイプもあるのか? それともこれは折衷式なのか?
謎が残る物件だった。
八幡信哉氏提供の資料によれば、天井にあった枡は排気器窓のようだ。
つまりこのベーハ小屋には天井裏があることがほぼ確定したと思う。
また、形式も折衷式だった可能性がかなり高い。
(2008年11月23日訪問)