ドライブイン水車

ドライブインのシンボルとして造られた巨大水輪。

(高知県土佐清水市下ノ加江)

写真

中村市街地から足摺岬へ向かう途中にドライブインがあった。その名も「ドライブイン水車」。

巨大な水輪がシンボルだ。粉ひきなどの仕事はいっさいせず、ポンプアップした水で無意味に回転するというタイプ。

このとき写真は備忘録的に1枚撮影しただけだった。後になって思えば、もっとちゃんと写真を撮っておくべきだったと思う。なぜなら、純然たるドライブインというものが貴重な存在になりつつあるからだ。

実は2004年ごろに、今後は飲料自販機ガソリンスタンド、ドライブイン結婚式場の写真を撮るべきだと思って、鳴門市周辺でそれなりに撮影したのだが、そのとき使ってたデジカメが画角が狹くてピントが甘いという非常に具合の悪いもので、使い物になる写真がほとんど撮れなかった。また、ガソリンスタンドについては営業中の営利店舗の撮影がデリケートなのと撮影時の駐車場所が以外に難しくて挫折していたのだ。

せめて駐車しやすいドライブインとロードサイドの結婚式場だけでもちゃんと撮っておけばと後悔している。

なお「水車」というと、徳島県池田町にも同名のドライブインが存在している。それで思い出すのは、20世紀に個人でインターネットが利用可能になったごく初期の検索システムで「水車」と検索するとこの池田町のドライブインがやたらに上位に表示されていたことだ。もちろん、探したいのは全国津々浦々にある実用水車なのだが、検索結果にはほとんど実用水車など含まれていなかった。当時の検索エンジンは電話帳のようなものだったのだ。そもそも身近にあるものを紹介するB級スポットのサイトなどは数えるほどしかなかった時代のことだ。

ドライブイン水車は2024年現在は閉業している。ドライブインとしていつごろまで営業していたのかは確認できないが、2012年ごろには今川焼きのテイクアウトのみの形態で不規則に営業していたようだ。

(2006年11月05日訪問)

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中山正典 (著)
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