金剛福寺から足摺岬はすぐ目の前だ。
駐車場からはウバメガシとヤブツバキの森の中に遊歩道がある。四国の南岸の傾斜地にはこうした森が多い。極相林と思われる。
途中にある足摺七不思議のひとつ「地獄の穴」。
地獄まで通じているといわれる深い穴で、かつては賽銭を投げ入れると1分間くらい落ちていく音が続いたという。
現在はモルタルで固められているうえ、深さは50cmくらいしかなく、ものすごく残念な感じになってしまっている。
寺から歩いて5分ほどのところに足摺岬灯台がある。
現在の灯台は昭和35年(1960)に造られ、高さは18m。灯台の建っている場所が断崖の上なので、高さ的には十分だ。
中に入ったり登ったりはできない。
灯台の前は展望所になっている。
この展望所の下は断崖で、弘法大師がウミガメに乗って岩礁に渡たとされる場所。足摺七不思議のひとつ「亀呼場」だ。
ここからは太平洋の水平線が丸く感じるくらいよく見える。
私は徳島市に住んでいて海岸も近いし、会社の昼休みに海岸にでかけて弁当を食べたりすることもあるけれど、見えるのは紀伊水道だからどうしても解放感に欠ける。それに対してやっぱり高知県の太平洋は、抜け感がすごい。
そして海の色!
厳密な意味での黒潮という海流は50~100kmくらい沖を流れているのだけれど、まさに黒潮の海って感じがする。
いくつかある岩礁には釣り人が見える。
現代ではウミガメではなく、渡船が運んでくれるのか。
もう1ヶ所展望所があり、ひと回りして駐車場のほうへ戻れる。
そちらの展望所からは灯台と崖を遠望できるので、こちらからの風景のほうが岬らしい。
売っているのはほとんどが貝だ。ひとつひとつは300~500円くらいの商品。
いいなぁ、これこそ土産物。
うっとりしてしまう。
中央のタカラガイの笛なんてすごいよね。これが21世紀になっても売られているという奇跡。
ホラ貝も売ってる!
いつか所有したいと思っていシロモノ。
私の実家は群馬県なのだが、誰が買ってきたのか30cmくらいの大きなトウカムリ貝の貝殻があった。
子どものころそれに耳を当てては、波の音を想像していたものだ。海無し県の子供にとってはこうしたお土産が空󠄁想の種にもなるので、買うのもあながち無駄ではないと思う。
(2006年11月05日訪問)