東槙山薬師堂

山に飲まれつつある茶堂。

(徳島県吉野川市美郷槇山)

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県道250号線から枝道を進むこと約1.5km。槙山という集落にある茶堂。名前は「東槙山薬師堂」。

ということは槙山集落には「東槙山」と「西槙山」の2つの字名があるということか。ここまでくる道はほぼ杉林で人家も何軒かあったが人が住んでいるのかどうかもわからない。かつて人が山を切り開き生活をした場所が、再び山に戻ろうとしている。

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お堂は方3間、宝珠を載せた宝形造り。

きょうこれまで見た茶堂が柱だけの四方吹き放ち構造だったのに対して、このお堂には腰壁がある。

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建物は文化年間(江戸後期)の築とされている。美郷村の仏堂では最古の建物で、村指定文化財になっている。

全体像を撮ろうと思ったが、藪がひどくて自由な位置取りができない。周囲は荒れ始めている。もしかして東槙山は無人の字なのか?

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内部は奥側の1間に内陣があり、中には厨子が置かれていた。

本尊は薬師如来で、すでに他の場所に移管されているという。

(2002年11月10日訪問)

福岡県歴史散歩 (アクロス福岡文化誌)

単行本 – 2016/3/25
アクロス福岡 (著), アクロス福岡文化誌編纂委員会 (著)

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