那賀川上流にやってきた。
那賀川は穿入蛇行を深く刻んで流れる川なので、その蛇行部分を見るとまるで島があるように見える。かつてはこの川沿いに街道が通っていたが、いまは国道がトンネルで短絡しているので、蛇行部分を通る人はあまりいない。
いま林道長安海川線の尾根から長安口ダムのダム湖を見おろしている。約15kmほどのよく整備された道だ。途中はほとんどが林業地で人家などはないのだが、きょうは林道を走ることも目的なので丹念に入っていく。
この場所はちょうど森を
都市で生活していれば、中々林業の施業地を間近で見ることはない。こうした広い面積の皆伐を見れば、この地では林業が生業として盛んに行われていることがわかる。
この上那賀町から木頭村方向を見ると、いくつもの施業地が見える。こうした風景を見て、その仕事を想像できたりしたら楽しいだろうな。いまはまだ林業のことはまったくわからないが。
しかし・・・それにしても寒い!
高知県との県境方向、雪が舞ってる!
見おろした那賀川の岸辺にある一軒家。
ダムができる前は標高の高い場所にある一軒家だったのかもしれないが、いまは水位が上がったため岸辺の家みたいになってしまっている。
那賀川上流は水の色が金属でも溶けているかのような青緑色に見える。
日真向橋から見た水面。怖いくらいの青さだ。
このあと、行き止りの道などを細かく分け入ってけれど、人工林の森が多く、人家もないため特に紹介するようなものもない。
道ばたの山水が凍って、いたる所に氷柱が下がっている。
昼間だというのに溶ける気配もない。とにかく寒い。
県道36号線で索道を見つけた。
2基が並んでいる。現役で使っていそう。
ひとつは複線交走式の索道だ。小屋谷川東俣を渡す索道で、地図からの推定では230mほどの規模。
もうひとつはトバシだ。長さは推定で120mほど。
主索の傾斜に滑車を付けて荷物を滑走させるため、荷受け場ではその衝撃を受け止めるために古タイヤを並べてあった。面白い。
主索は2本あるように見えるが、奥側の架線は重量物を下げられるようには見えない。もしかして下り傾斜の架線でチキリを対岸に戻すためのものか。
対岸には人家はないし植林地でもなさそう。広葉樹が優先する自然林の谷だ。何のための索道なのかがよくわからない。砂防工事か何かをしているのか。
そもそも道らしき道もないから、人間が現場へ行くだけでもひと苦労だろう。
小屋谷川東俣の最上流あたりの集落を回っていたら、ついに雪が舞ってきた。
この集落をあとでストリートビューで見ていたら、県道沿いにトバシがあることに気づいた。
ちょっと分かりにくいトバシだけど、寒さでチェックが甘かったか。
(2008年02月24日訪問)