
西東京や川越方面から児玉方面への移動で、私が好んで使う橋だ。そのことは以前にも書いているが、その理由を書こう。

それは今川橋の上流の部分に河岸の風情を感じるからなのだ。
どこに感じるかって?
それは・・・


とにかく学生時代に初めて今川橋を渡ったそのときから、この常夜灯には一目惚れ。
こうしてきょうも埼玉県からの群馬県への帰路で今川橋を渡っている。
これまで一度も写真を撮ったことがなかったので、日が暮れていたが撮影していくことにした。

棹の部分に「水上安全」という文字が彫られている。
つまりこの常夜灯は神社や街道の付属物ではなく、川の付属物なのだ。
河岸で働く人、材木の筏流しにかかわった人々が、川運の安全を祈願して奉納したものなのである。

明治14年の地図を見ると、貯木場のような水域が見てとれる。

堤防が補強されているから当時とは風景も変わっているかもしれないが、この常夜灯のあたりにかつて河岸場があり、上流の林業地帯から流送される木材の中継地となっていたのだ。
おそらくこの写真の辺りだったのではないか。

そう思って見たら、今川橋を通るのが好きな理由が少しはわかってもらえるだろうか。

常夜灯のたもとにすり切れた小さな石仏があった。
青面金剛のようだ。
(2025年08月31日訪問)