
毛呂山の自動車教習所を取り巻く森の中に小さな辻堂がある。
庚申塔を祀る辻堂だ。

この庚申塔は主尊が阿弥陀如来という珍しいもの。来迎印の阿弥陀如来流送が平面彫りされていて、その下部に三猿がいる。
庚申塔の主尊は青面金剛が一般的なのだが、その形態が流行したのは江戸前期の終わり元禄ごろなのだそうだ。この庚申塔は寛文7年の建立で、元禄から50年ほど古い。その時代にはまだ庚申塔の主尊は確定していなかった。

年代的に古い石塔だが、風化も進んでおらず造られたころの彫りがよくわかる。
昔から辻堂に納められていたのではないか。

このような阿弥陀庚申塔は埼玉県南東部に多く見られ、県西での例はまれなのだという。

辻堂への入口には馬頭観音の文字碑があった。
(2025年09月17日訪問)