
熊谷市大里地区(旧大里町)にあるヘラブナの管理釣り場、中の淵を紹介しよう。
と言っても、私は釣りをしないからよく釣れる沼かどうかといった観点で紹介するわけではない。

この沼は当サイトでは初めて登場する
落堀は、大河川がの堤防が切れたとき内側の土地が洗掘されて生まれる沼だ。いわば決壊地形。こうした沼が荒川水系には何箇所かある。
当然、立地としては堤防のすぐ内側ということになる。

中の淵の横の河川堤防を見てみると不自然にカーブしている。こうしたカーブは古い決壊地の場合が多い。
堤防が破壊的に切れると堤内地に大量の水が勢いよく流れ込み、その水流で地面がえぐられる。現代では堤防の決壊箇所は強力な土木工事によって跡形もなく修復するが、古い時代には完全修復が難しかった。水が引いたあとの窪地に客土して埋め立てても、地盤がゆるくてそれ以前と同じ強度の堤防が造れなかったのだろう。そのためえぐれた土地を避けて堤防を再建した。その痕跡がこのカーブなのだ。

また堤防の法面にある水防倉庫。これも過去に水害が発生した場所に建てられることが多い。
ほかに九頭竜権現などの神仏が祀られているケースも多いが、ここでは見当たらなかった。
この場所は典型的な決壊地形なのでよく見て覚れば、他の場所でも決壊地形を見つけることもできるだろう。

釣り池としての中の淵を見てみよう。
360度外周がすべて桟橋になっていて、自然の沼の風情はほとんど残っていない。

遊漁料は日釣りが500円、年間が6,000円だ。
ほかにいくつか規則がある。基本的にヘラブナ釣りでルアーは使用できない。

駐車場もかなりの台数が置けるし、トイレや自販機もある。

この日は西側と南側に釣り人が集中していた。

それに対して、東側の桟橋は人気がない。

やっぱり釣れる場所に人が集まるのだろう。すごい密度。みんな好きねぇ。

沼の北西側には葦が生えた湿地があり、少し自然の環境が残っている。

このあたりでは釣りはできない。

沼尻の吐き出し。
それなりに水が出ている。西側から用水が流入しているので、水は少しずつ入れ替わっているのだろう。
(2022年11月22日訪問)