中の淵周辺の水塚

中の淵の周辺には大規模な水塚が多い。

(埼玉県熊谷市小八林)

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中の淵は古い時代の決壊地形なのだから当然その周辺は過去に水害の被害を受けている。

そうした地域では、宅地全体をかさ上げしたり、宅地内に塚を造成しその上に土蔵を建てたりして、冠水に備えてきた。それが水塚(みつか)である。

中の淵の周辺には水塚が多いが、屋敷森になっていて写真を撮っても木しか写らないような物件が大半だ。その中で比較的道から見えやすい3件を紹介する。空中写真の矢印を手前から見ていく。

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中の淵のすぐ南側にあるお宅。

➡ 場所

背後は広大な屋敷森になっている。たぶん敷地は800坪くらいはある。なにしろ過去に堤防が切れた場所から一番近い家だから、厳重に水防してある。この森が流れ込む水流を食い止めるのだろう。

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もちろん敷地自体も周囲より高くなっている。

このように宅地全体がかさ上げされているものも水塚という。

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2番目の矢印の位置のお宅。

➡ 場所

こちらも敷地全体をかさ上げしている。

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しかもごく最近さらに高さを増やす工事をしたようだ。

実はこのあたりはハザードマップを見る限り、市野川和田吉野川の下流部に比べるとそれほど浸水リスクが高い場所ではないのだが、2019年の台風19号の被害状況を見て、備えあれば憂い無しという工事をしたのかもしれない。

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3番目の矢印のお宅。

➡ 場所

大きな古いお屋敷だ。ただ、敷地の三方を高い生垣で囲んでいて、ほとんど様子がわからない。

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西側の道路から見ると敷地がかなり高くなっていることがわかる。周囲の水田からのレベルの差は2mくらいはあるだろう。

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北側の土蔵の部分は垣根がなく水塚の様子がはっきりわかる。

(2022年11月22日訪問)