「辻時計」とは、私が個人的に愛好している珍物件だ。いわゆるマイ・ブームというやつ。気付いたのは新潟へ油田を見に行ったとき、加茂市で見たのが最初だ。
私はいまだにこの種の物件について統括的に 論じられた文書を目にしたことがないので、辻時計の愛好家はもしかしたら日本中に私一人しかいないかもしれないのだが‥‥。
左下観音堂を見学後、車で移動中に藤家舘藤田という字で偶然に発見。
付近の地域名をとって「藤田の辻時計」と命名。高さは2m程でコンクリート製。皇紀2600年を記念して建てられたもの。路上に建てられており、塔の上部に時計を収める窓があるので、すぐに時計とわかる。
ここで「辻時計」の定義を説明しておこう。
- 歴史:主に天皇の即位(御大典)で建てられた。もしかすると、巡幸、皇紀2600年、戦勝などを記念して建てられたものもあるかもしれない。
- 設置場所:道ばたの露天に置かれ、かつ、常設であること。
- 構造:機械装置ではなく建造物であること。
特に昭和天皇のご大典(昭和3)前後に全国的に作られたようである。もっとも、年代判定ができないものも多いので (2), (3) を満たしていればこの範疇に入れようと思う。
(1999年08月22日訪問)