
実をいうとこの旅に出たときはまだ旅行記のサイトを作るつもりではなかった。そのため写真の点数も少ないし、訪問したのに写真を撮っていないスポットもかなりある。
使っていたデジカメは35万画素。いまから思えばトイカメラ以下のシロモノだが、この当時は泊まりがけの旅行にデジカメを持っていくということがチャレンジでもあったのだ。いつ電池が切れるかヒヤヒヤものだったし、適正露出になるかは運まかせ、半日分くらいの画像ファイルが破損して読み出せないというトラブルにもみまわれた。
したがって、この初編「東北すきま旅」は日本すきま漫遊記のプロトタイプと言えるような構成になっている。
デジカメで撮影した画像は極度に画質が悪いけれど、そのまま載せている。20世紀のデジカメ、WEBサイトがどんなだったのかという記録にもなると思うからだ。
旅は福島県の会津盆地を出発点に、新潟、山形、秋田を巡る3泊4日の旅で、おもに地図でうす緑の部分を訪問する。このエリアの後半は私がこれまで一度も立ち入ったことがない地方を多く含む。3泊4日ではとても見尽くせる広さではないが、まずはこれまで行ったことのない場所を走ってみるというのを目標としたい。
第1日目の訪問先は会津盆地。そこにはさざえ堂を頂点とする重層仏堂群が私を待っていた。