東山」といえば、もとは京都の東山からきているのだろうが、全国にはいろいろな東山がある。そしてそれはたいていは寺町なのである。地方都市に行くとよくある「○○銀座」のようなものなのだろう。
たとえば長野県中野市の「東山」なんて観光度ゼロで、ひなびた寺町が好きな私にはもーたまらん場所だ。名古屋市の「東山区」も個性的な名刹が多く、何度でも出かけてしまう。
さて、高山市の「東山」だが、市の北東部の寺を訊ね歩く散策コースになっている。構成する寺院には際立った名刹や、変わった寺があるというわけでもなく、戦災で焼けなかった地方の城下町の寺町としては平均的なレベルではないかと思う。しかし高山という土地柄だから何人もの観光客が歩いていた。
散策コースの最初の寺は宗猷寺(そうゆうじ)だ。コースの中でもよく整った寺で、雰囲気もよい。
ちょうど桜の季節だったので、散策には一番いい時季だったかもしれない。
宗派は臨済宗。本堂は外見は重層で、内部は1階、畳敷きであった。外見から言えば仏殿風だが、仏殿であれば内部は土間が基本だ。床があり畳が敷かれている場合は「本堂」ということになる。
境内には、薬医門、鐘楼、蔵、本堂、三十三観音堂(写真)、地蔵堂など。
墓地には山岡鉄舟の両親の墓がある。
(2000年05月02日訪問)