大慈寺は新羅神社のある長者山の南のふもとにある寺である。背後に見える木立が長者山。
境内は堂が多く、楼門、本堂、座禅堂、経蔵、鐘楼、庫裏、会館、観音堂がある。
長者山の杉木立のなかにあり、楼門の左右には白壁が廻っていて、雰囲気はかなりイイ。
楼門は三間一戸で、通路の部分が花頭窓のようになっている。また、欄干の下の欄間の部分にも凝ったデザインが施されていて、変わった楼門と言っていいだろう。
土地によっては、このように一階部分が花頭窓ふうになっている楼門を竜宮門と呼ぶこともあるが、私はその呼び方は妥当ではないと思う。やはり“変わった楼門"という程度の呼び方で充分ではないだろうか。
本堂。
本堂の前にはまわり場がある。まわり場というのは、葬式の野辺の送りで、葬送行列がこの円形のコースの上を回る場所だ。東北を旅していると、とても頻繁にまわり場を見ることができる。規模もこの寺のように大きいものから小さいものは直径3m程度のものまである。なかにはもしかしたら本来のまわり場の機能を喪失して単なる装飾になっているものもあるのかもしれない。
経蔵。
内部は輪蔵になっている。
経蔵の内部。
経蔵内は花祭りの飾り付けが置かれていた。経巻棚の保存状態は良好だがお経は入っていない。
山門の前で見かけた銅製の子育て観音像。
手にした
付近にあった塔頭(?)。
傾いた釘貫門が東北らしいいい味を出している。
(2000年10月05日訪問)