安養寺

巨大な毘沙門天を乗せた四脚門。境内には万歳歌が流れる。

(岡山県倉敷市浅原)

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安養寺。備中国分寺の南西6kmほどの山の中にあった寺。倉敷インターチェンジの近くである。

寺へ行くまでの道は、修験集落の風情を感じさせる家々の中を通る狭い道だ。寺が近づくと小さなダムがあり貯水池がある開けた場所に出る。

池には六角の弁天堂が浮いていた。

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駐車場に車を停めると、まず「これはナニ?」とびっくりするのが境内の随所に設置されたスピーカーから流れている陽気なウエスタン調の音楽。音が割れてしまっていてよく聞き取れないのだが、どうやら万歳(まんざい)のようだ。つまり、新年などにめでたい言葉を歌い込んで門付けをするという伝統芸能だ。そこでうたわれるのが万歳。

この寺の現住職の自作らしく、全部で十番まである。

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“三べん笑って、た~ぁだいま! そろって笑えば七福神、家中笑って福の神、みんなそろって七福神、笑う門には福来るぅ~"といった歌が延々と流れている。

そしてもう一つびっくりするのが、巨大な毘沙門天だ。ある種の大仏だ。

天部の仏像の大仏というのは珍しい。

このエリアには巨大な鐘楼、休み処、七福神堂がある。

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四脚門の屋根の上に乗っている。毘沙門天型の四脚門とでも言えばいいのか?

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そしてその四脚門(?)の下にはなぜか船のいかりがあった。

Tさんからの情報によれば、この錨(いかり)は上にある毘沙門天の怒りを鎮めるためとのこと。

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石段を上がると水盤舎があり、一間一戸の鐘楼門が見えてくる。

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鐘楼門をすぎると本堂。本堂の右側には庫裏。その手前には護符売り場がある。

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本堂の左側には阿弥陀堂。

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境内の西の方には、宝物館(七福神堂?)、宝塔などがある。

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宝塔も巨大である。おそらく国内最大級の宝塔ではなかろうか。

この寺の住職はいろいろと自己主張の強い人とみた。

境内に流れる万歳(住職の自作)、毘沙門天の乗った門、巨大な鐘楼、巨大な宝塔、点在する朱塗りの堂宇。かなりユニークな寺といっていいだろう。

(2001年05月01日訪問)