宝島寺

室町初期とも言われる素朴な八脚門は市指定文化財。

(岡山県倉敷市連島町矢柄)

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宝島寺。その山門は室町初期の作とされ岡山県でも屈指の古建築という。ここに立ち寄ったのもこの門がお目当てだ。

市の文化財に指定されているが、あまり改修もされていなくて、古い建物が今日まで残ったありのままの姿を見ることができる。これが国重文にでも指定されようものなら、建立当初の姿にまで戻して改修されてしまうため、本当の歴史の風雪が見えなくなってしまうのだ。

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軒はシンプルな“疎垂木(まばらだるき)"と“舟肘木(ふなひじき)"で構成される。

柱の面取りも大きく、古式を感じさせる。面取りというのは、断面が四角の柱の角を45°に切り落とすこと。この面取りの面積が広いものほど古い建物とされている。

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寺の山門は薬医門、他に本堂、庫裏。

奥のほうはよく見えなかったが、他にも書院などがあったようだ。

(2001年05月01日訪問)

古建築の細部意匠

単行本 – 1972/6/10
近藤 豊 (著)

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