桑柄の迎え火

三本辻で稲藁を焚いていた。

(宮城県石巻市北村滝ノ沢)

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石巻へ向かう途中で道を間違ったことに気づき、脇道へ車を入れて方向転換しようとしていると、道端で迎え火を焚きはじめた人がいるではないか。

当然、さりげなく撮影させてもらった。

常々迎え火の写真を撮りたいと思っていたのだが、実際は1~2分くらいの出来事であり、やっているのに気づいてから寄っていってカメラを構えたときには、もう火が燃え尽きていることが多いのだ。

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迎え火にはいろいろあるが、このように稲藁を燃やすというのはわりとポピュラーではないかと思う。

場所は家の敷地の入口で焚く場合が多いが、この例では三本辻(T字路)で焚いていた。こういう三本辻は、まじないをしたり、動物を葬ったりする、民俗的には特別な意味がある場所なのである。

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この家では代々この場所で迎え火を焚いてきたのであろう。

いいものを見させていただいた。

このあと石巻市へ移動し、駅前のビジネス旅館に転がり込む。

ひとやすみして旅館の主に教えてもらった居酒屋へ出かける。せっかくだから刺し身の盛り合わせを注文しようとして値段を尋ねたら一人前なら400円くらいでいいと言われる。これにご飯、みそ汁をつけて、お茶を頼んだらウーロン茶が出てきた。なんだかんだで1,400円くらいになってしまった。400円の刺し身盛り合わせに1,000円のご飯‥‥安かったんだか高かったんだかよくわからない。刺し身は美味しかったのでまあいいか‥‥。

いったん宿にもどり、郊外のスーパー銭湯へ出かける。このあたりはもう仙台の文化圏なのか、とても都会的なスーパー銭湯だった。

(2001年08月14日訪問)

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