野神社

田んぼのなかにぽつんとある小さな野神。

(徳島県石井町浦庄国実)

下浦から北の方面へ行ってみた。飯尾川を越えると田んぼの中に小さな神社が見えた。

不思議な場所にあるな・・・。

以前は村があったのが、地形が変わって人が住めなくなって神社だけ残ったか?

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飯尾川は吉野川南岸の後背湿地を長く流下する川で、かつて大規模な氾濫を繰り返してきた。現在も1m以下くらいの氾濫は全国ニュースにはならないがたびたび発生している。と、いうことは藍作りに適した土地とも言え、かつては多くの藍農家がありそれなりに豊かな場所だったはずだ。

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この場所も飯尾川の河原のような場所で、堤防がなかった時代にはひっきりなしに水没したはずだ。

現在は水田になっている。

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大きなクスノキが神社が古くからあったことを物語っている。

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神社の名前は野神社(のがみしゃ)

農業の祭神で、農村の神様。

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神社には木造物はなく、すべて石造とコンクリ製。

神社は境内から60cmくらいかさ上げされていて、田んぼのレベルからみたらたぶん1.0~1.5mくらいは高くなっている。この高さがこのあたりで水没しない高さなのかもしれない。

この界隈は現在も未来も、浸水と付き合っていくしかない土地なので、家を買うときはよくよく周囲の古家の高さを見たほうがいい。

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本殿は全体が洗い出し仕上げ。

すごい精密さだ。

垂木なんて割り箸くらいの太さしかない。

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近くで見かけた撥ね釣瓶井戸と思われるもの。

いまは使っている様子はないが、家のシンボルとして残しているのだろう。

(2003年04月05日訪問)