県西まで来て、まだ時間があったので、せっかくだからいままで行ったことのないところに行ってみようか。
そう思い立って、四国八十八ヶ所霊場の66番札所、雲辺寺を目指すことにした。
雲辺寺は四国霊場の中でもっとも標高が高い寺といわれ、徳島と香川の県境の山頂にある。歩き遍路の山道を別とすれば、車で登れる道は徳島側にしかなく、香川県側はロープウェイになっている。
池田町の白地という集落から車道を登ると、いくらもいかないウチに森の中にお堂が見えた。
この道はセンターラインのある舗装道路だけど、おそらく同じルートに元々は狭い道があって、このお堂はそこに面していたんじゃないか。
吹き放ちの建物で、茶堂の一種ではないかと思われた。四国の茶堂は歩き遍路などを接待するための装置のイメージがあるが、実際はへんろ道から外れた場所や、通行量の少ない道に建っている場合が多い。この道も歩き遍路が通るいわゆる「へんろ道」ではない。
建物は、コンクリ基礎でまだ築20年くらいの感じの小奇麗なお堂だった。
床は一部分しか貼られていない。これだと雨宿りくらいはできるだろうが、野宿にはちょっと厳しいか。
内部の様子。
床がないという点をのぞけば、ほぼ茶堂と言ってよさそう。
掃除もされていて、村人がちゃんと管理しているようだ。
このお堂のある山の斜面は美しい混交林になっている。
見たところ、カラマツ、アカマツ、スギなどが混植されている。林床も明るい。
この森は人工林だと思うが、何か意図があっての施業なんだろうか。とても印象に残る森だった。
(2004年07月10日訪問)