雲辺寺に到着。四国八十八ヶ所霊場の第66番札所である。四国霊場にはいくつか標高の高い山寺があるが、雲辺寺はその中でもっとも高いところにある寺で、標高は約900mある。
車道の行き止まりに無料駐車場があり、そこからは徒歩となるが、登山というような道ではなく、ほぼ平な参道だ。500mほど進むと山門がある。
山門は八脚門の仁王門。
仁王は漆喰(?)による乾漆造(?)的な構造。
山門の裏側は巨大なわらじが奉納されている。
門はいちど補修されているようで、組み物と支輪部分の色が違っている。
色の濃い部分は木鼻の特徴などから江戸末期と思われるが、組み物の部分は質実剛健な造りなので、もしかすると平成かもしれない。
経年で軒が下がったのを、軒だけ入れ替えたのかな。
山門を過ぎると石垣に沿って進むことになる。
石垣から突き出したお堂がある、鼓楼か?
石段を登ってみるとそれは手水屋だった。
ただし、飲む専門で手を洗うなというような注意書きがある。
ここまで見ても、けっこう堂の多いお寺だ。
伽藍配置図もこのとおり!
堂が多くて面倒だな、いや、ホントは嬉しいはずなんだけどさ。
でも嬉しいと面倒という気持ちが渾然一体となって、どちらかというと、面倒のほうの割合が多いかもしれない・・・。
実は私は本山級の立派なお寺って苦手なのかもしれない。食い切れない料理を出されたときみたいな心境になってしまうのだ。
伽藍を配置図の左側のほうから順番に見ていこう。
一番左にある亀山院陵。
石段の登り口に障害物のようなものが置かれているので、登るのはやめておいた。(調べてみると、別に登ってもいいみたいだ。)
本坊。
持仏堂。
あ、ちなみに、伽藍配置図の建物の絵はけっこう上手なんだけど、現実の建物の形状とは違っているので注意。そもそも配置図だと建物は離れて描かれているけれど、実際はあまり広くない境内に密集していて、すべて連結している。
護摩堂。
本堂。
右奥に見えているのは納経所。
本堂の前にある御守授与所。
本堂の裏側にはRC像の蔵がある。本尊でも納めてあるのかな。
その奥に見える宝形の堂は、護摩堂と連結しているRC造のお堂で、やはり護摩堂側の仏像でも納めてあるのだろう。
続いて、境内の右半分のエリアへ。
新しい鐘堂がある。
その横には摩尼車。
大師堂。
どちらかというと、この右半分の伽藍が本堂のような感じ。
大師堂の裏側にも宝形のお堂がある。
このお寺の礼拝所はすべて2段構えになっている。
御所大権現堂。
伽藍配置図では校倉みたいなのが描かれているけれど、普通の流造り。
「権」が見慣れない異体字になっている。
木へんの払いが「」みたいになってるし、つくりのほうは「」みたいな字だし、これ「槯」なんじゃないか?
本堂の石段を下りた前には信徒会館がある。
この場所にはいま工事車両などがとまっているが、もともとは参詣の車もここまで来れたんじゃないだろうか。
いまは車止めがあるので500mは歩かないといけないけれど。
信徒会館の横にあるみろく堂。
内部にはスギを抱き込んでいる。
特に神木というような樹にも見えないが、なんでこんなことになったんだろう。
境内の東の外れのほうに五百羅漢エリアがある。
すべて新しい像だけど、バリエーションが豊かで面白い。
妙にリアルな赤ん坊。
眉毛がヘビみたいなおじいちゃん。
羅怙羅尊者か?
基壇には「法燈尊者」と書かれていた。
中国風の七重塔。
五百羅漢も中国で作られたものなのかもしれない。
そこをさらに進んでいくと、毘沙門天つきの展望台があった。
ここからは観音寺市から瀬戸内海までが一望できる。すごい眺めだ。
お寺参りに興味がなくてもこの景観だけを見に来てもいいくらい。香川県側からはロープウェイがある。
この場所は香川県唯一のスキー場にもなっている。起点がリフトの上側で、ゲレンデの下が行き止まりになっているというスキー場だ。こういうスキー場って他にあるのだろうか。
このあとまだ時間があったので、帰りがけに池田町の滑り台を調査した。
レポートについてはこちらを。
(2004年07月10日訪問)