最上位稲荷・長善寺

お焚きあげ場に人造洞窟がある。

(徳島県東みよし町中庄)

写真

金丸八幡神社の辻時計は、国道沿いにあってかなり貫録もあるので戦前までの歴史があるかと期待していたのだが、新しいものだとわかり少しがっかり。これでとりあえず今日の目的は果たした。

そのあと駅南にある公園の遊具を見て、金丸八幡の東隣にある気になるお寺に行ってみることにした。

名前は「最上位稲荷 長善寺」

写真

最上な(さいじょう)稲荷といえば、岡山県の最上稲(さいじょう)荷妙教寺がまず思い浮かぶわけだが、ここは「最上位」なのでちょっと違っているし、そもそも宗派が別。最上稲荷は日蓮宗系単立だが、こちらは真言宗御室派。

参道には鳥居があるのは最上稲荷と似たノリだが、あくまでも神社ではなくてお寺だ。

写真

鳥居をすぎるとすぐJR徳島線の踏切がある。

踏切を渡ったすぐが石段入口だけど、車で来た場合は駐車場まで車で入れる。

写真

石段を登ったところには山門の四脚門の鐘堂門。

鐘堂門は小豆島に多いが、徳島県内ではほかにあまり思い浮かばない。

写真

山門をくぐって左側には水盤舎。

写真

右側には庫裏がある。

写真

庫裏の軒先にはおみくじの自販機があった。

屋根が珍しい片流れタイプ。おみくじの自販機の屋根で多いのは陸屋根、次いで、切妻平入り。片流れ屋根は初出だ。

料金は50円を改め、100円にしてある。釣り銭も出る仕組みのようなので、50円時代には100円でおつりが出たのだろう。パイロットランプがあることから、電力を必要としていて、見た目の素朴さのわりに高機能だ。

写真

庫裏の前には庚申などの石仏。

写真

宝篋印塔。

奥に見える無縫塔は典型的な僧侶の墓石だが、その手間の石塔の上に大日如来が乗っているのも僧侶の墓だ。

写真

本堂。

写真

軒下に端四国八十八箇所の地図があった。

文字はかすれてほとんど読めないが、現在地は左端の「八幡神社」とある場所で、この寺は八十八箇所に含まれていないようだ。

端四国霊場の札所は、他の記事でいくつか紹介している。

写真

さらに境内を進むと短い鳥居のトンネルがあり、この寺の奥の院ともいえる最上位稲荷へ続いている。

ノボリには「最上位教王稲荷」と書かれている。

写真

眷族の狐は中々精悍。

写真

なんか、かっこいい。

写真

最上位稲荷本殿。

写真

本殿の扁額は「三宝山 最上稲荷」となっている。

それと、天狗の面。

写真

カラス天狗。

写真

大天狗。

写真

他に末社とミニ霊場がある。

写真

さらに山を登ったところにあったお焚きあげ場。

休憩所の階上にステージみたいな場所がある。ここで僧侶が信徒に向けて説法でもするのかな。

写真

洞窟発見。

写真

内部は人造の洞窟で、深さは5mくらい。

面白いことに、天井に噴水があって水が噴き出していた。ある意味、地下の人造滝ということ。

人造洞窟と水流を組み合わせた施設はたまにあるが、排水などを考えるとよくがんばって作ったと思ってしまう。場所的に沢水を使っていると思われるが、いつまでも稼働してほしいものだ。

(2004年07月10日訪問)

日本の凄い神木: 全都道府県250柱のヌシとそれを守る人に会いに行く (地球の歩き方BOOKS W 24)

単行本 – 2022/10/27
本田不二雄 (著)
木の歴史や巨木が生まれる背景、人との生活との関わりなど、「木の旅」をテーマに、各地方の巨木・神木を240本以上紹介。また、木・人・旅に関するコラムなどの情報も充実。

amazon.co.jp