妙体山への山道を登る。3月上旬というのに雪が舞ってきた。
神社への入口を示す鳥居を過ぎた先に、最後の人家があった。標高は530m付近。もうここから先には人家はない。
見れば、桑畑があるじゃないか。
私が四国に住んで初めて見かけた養蚕農家だ。あとで知ることになるが、徳島県の養蚕農家はかなりの山奥にしか残っておらず、普通に平地の道を走っていて発見できるものではないのだ。
いや、もと養蚕農家か?
いまは3月上旬なので、もし現役の養蚕農家なら春蚕に合わせた桑園になっていると思われるが、この仕立では春に蚕を飼育できない。標高が高くて春の飼育ができないのか、あるいは、桑茶として夏に収穫することを前提とした仕立てなのか。
畑に堆肥を入れているみたいだから、まだ桑を育てているのは間違いない。
手前のスレート葺きの小屋が蚕室なのだろうか。
これから4年後、私は県内の現役養蚕農家をあらかた訪ねることになるが、そのときにはこのお宅は養蚕農家のリストに載らなかった。
(2005年03月06日訪問)