野良時計南の環濠屋敷

堀や長屋門のある立派な屋敷が続く。

(高知県安芸市土居)

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野良時計の南側、県道211号線は海岸沿いの土佐東街道(国道55号線)まで続く古道だ。このエリアは安芸城下町の町人街という位置づけなのだろうと思う。

ただ、野良時計がある家が豪農だったように、そこから続く数軒の民家もお屋敷ばかりである。

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野良時計から50mほど行った横丁にある、堀を巡らせた屋敷。堀を巡らせたというのは正確ではなく、用水がこの家の敷地にそって引かれているということになるのだが、それにしてもすごい豪邸だなあ。

後に、群馬県で環濠屋敷巡りをしたときに立ち寄った一軒の農家を見て、安芸市のこのお屋敷を思い出したものだ。

このときは立派な屋敷があるなと思った程度だったのだが、後日、またここを通ったときにもう一度写真を撮ったので追加しておこう。

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2度目に野良時計を訪れたのは5年後の3月18日、あいにくの春雨の天候だった。

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この場所って、安芸の重伝建の範囲に含まれているのだろうか。

わずか100mほどの区間だが、かなり見ごたえのある町並みだ思う。

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用水が水量が豊かなのもいい。

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往来から引っ込んだ路地側の風景。

橋が架かっている長屋門はこの家の裏口にあたる。

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長屋門の先は蔵になっている。

この蔵のように、壁面に層状の小屋根が付いているのは東土佐地方の蔵の特徴で、この意匠を「水切り瓦」といいう。

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往来側の堀。

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堀のある家の北側の家も立派だ。

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長屋門には「武者窓」という出窓がついている。

武家屋敷の意匠だとされているのだが、私にとってはどちらかというと豪農や豪商の長屋門などに付いているイメージ。

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築地塀は瓦を積んだものだった。

(2007年08月11日訪問)

暗渠マニアック! 増補版 (ちくま文庫 よ-33-1)

文庫 – 2024/5/11
吉村 生 (著), 高山 英男 (著)
東京(杉並、巣鴨、荒川等)をはじめ近郊三県、札幌から那覇、台北まで。文庫化にあたり、下北沢、横浜、豊橋(暗渠上ビル)、堺(古墳)の暗渠40頁分を書き下ろした。

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