華蔵寺の周辺には隣接して何軒かの寺があったので、そのまま廻ってみた。とりたてて、寺町めぐりのコースというわけではないのだが、もう日が落ちてあまり遠くへは行けそうになかったので、最後にまとめて寺を見ておこうと思ったのだ。
華岳寺は華蔵寺の裏手にあった目立たない寺。
入口には吉良義央の銅像がある。義央が農耕馬にまたがって領地を視察したという言い伝えによるものだという。
ところで、騎馬像で馬の前脚が両方地面についている武将は戦以外の理由で死んだことを表わしているというが本当だろうか。前脚を両方地面から離して後ろ脚だけで立っている場合は戦場で討ち死に、片足だけ地面から離れている場合は戦で負った傷が元で死んだ場合だという。
山門はなく、入口に小さな六地蔵堂がある。
町の教育委員会が設置した寺の由緒を書いた案内板があったが、とてもわかりにくい日本語で、読んでも要領を得なかった。江戸時代までは2つの塔頭をもつ寺院だったがその後衰退したというようなことが書いてあった。
本堂は方丈のような造りで、桟瓦葺きの質素な建物。その桟瓦も崩れかけていた。
本堂の右側には玄関、庫裏、車庫、東司。
本堂の前には薬師堂があった。
寺の周囲は孟宗竹の竹林になっていて、落ち着いたたたずまいだ。行きずりの観光客が入ってくるような寺ではないものの、わりと雰囲気のよい寺である。
さざんか(?)が咲いてよい香りがただよっていた。
(2001年11月23日訪問)