半田市に向かって走っていると、道端に巨大な輪蔵のようなものが見えたので、寄ってみることにした。光照寺である。
山門は一間一戸の鐘楼門。とても軒の出の深い建物だ。
一階部分の柱の四方45度には袖塀のようなものが付属している。この地方によく見られる倒壊防止のつっかい棒を隠すための意匠である。
倒壊防止のつっかい棒は本堂にも激しく取り付けられている。
見ると向拝の中央やや右寄りが崩れかけているが、これは三河地震の影響なのかはわからない。だいたいにおいて木造建築では軒は風雨のために傷みやすい場所だ。特に寺院建築は軒の出が深く、飛擔垂木などで意匠を凝らしているので、きちんと作ってあっても何百年も持つものではない。
車通りから見えた輪蔵のような建物は観音堂だった。
2層部分には亀腹もあり、かなりあやしい建物である。本堂とは渡り廊下でつながっている。
観音堂の内部は密教様式の造りになっていた。
内陣と外陣を隔てる欄間に巨大な絵馬がかかっていた。奈良の長谷寺の伽藍図であろうか。なぜここにそんなものがあるのか。
境内にはほかに水盤舎(写真左)、六地蔵堂(写真中央)、地蔵堂(写真右)、鎮守社、東司、庫裏。
(2001年11月24日訪問)