信光寺。 無量寿寺の参道にある浄土真宗の寺院。おそらく 無量寿寺の末寺だと思う。
茶色く塗られた下見板の塀で囲まれている。下見板は寺院に使うような塀ではなく、民家に使われる塀だ。
写真は 無量寿寺の参道。
山門は民家風の門。あえて言えば前後に添え柱のついた棟門であろうか。
下見板の塀といいこの山門といい、あまり寺らしくない意匠が用いられている。
境内に入るとすぐ左側には水盤舎。
なぜか二宮尊徳の像が置かれていた。
境内の真ん中に大きなクロマツが生えている。参道の途中に生えているという感じで、どうにも収まりがよくない。どうしてこんな場所に松を植えたのだろう。
境内にはほかにソテツ。
信光寺の本堂を 無量寿寺の境内から見たところ。
いつも本堂の写真は広角レンズで正面から見上げるように写したものばかりなになってしまっているが、実は正面から写した日本建築というのは屋根のボリューム感がわからないものだ。
写真の場合はどちらかというと遠景からみたほうが、堂の美しさがわかりやすいのだが、なかなかそういう写真は撮れない。
人間はモノを見る時に、写真のように平面的な写像としてモノを認識しているわけではない。だから肉眼で建物を見るとき、近くからみても遠くからみても、屋根の勾配やバランスを正しく認識することができる。だが、写真は近くで撮影すれば屋根は小さく見え、勾配も正しくはわからない。かといって、街中の寺は引きが取れないから遠景の撮影はできない。つまり写真ではどうしても伝わらないものがあるのだ。それは実際に旅をして自分の目で見ることでしか得られないものなのである。
(2001年11月25日訪問)