影現寺。別名、時志観音といい、虫封じ、子育て、安産の御利益があるという。知多三十三観音(西国の写し霊場)の発願の寺でもある。
参道の前は国道、その先は海、という強烈なロケーションになっている。
石段を登るとだだっ広い境内がある。小さな小学校がまるまる作れそうなくらいの敷地に、御影石の石像などがまばらに置かれている。
境内にはこれといって木陰を作るような樹はなく、敷地を囲むように照葉樹が生えているという造園は、日本の寺のイメージとはかなりかけ離れていて、外国の仏教寺院のような印象だ。ハワイにでもありそうな感じの寺なのである。
石像ばかりというのも大味になってしまう原因のひとつであろう。
本堂は正面から見ると入母屋妻入りの聖堂のようにも見えるが……
…実際は中間部分が寄棟の乗り越し屋根になっている型破りな建築。
どうしてこんな建物になってしまったのか。ここの住職は普通じゃイヤな人なのだろうか。
本堂の右側には大師堂。庫裏。
庫裏と本堂の間にサブ本堂のような感じの建物があった。
庫裏の先には渡り廊下でつながった倉庫のような感じの建物がある。中を覗いてみたところ、宴会場のようになっていた。
庫裏と宴会場のあいだには三十三観音ミニ霊場。
ミニ霊場の前には鐘堂があった。
影現寺は、決して感動的と言える寺ではないし、すごく変なものがある珍寺というわけでもないのだが、海外旅行に行ったような不思議な感覚の寺であった。
(2001年11月25日訪問)