常滑市から旧道を北上すると、道沿いに浄土真宗寺院の櫓かと思わせるようなものが見えた。
前まで来てみると、それは櫓ではなく楼門だった。形式から言えば、一間一戸二重門と言えるかも知れないが、率直な言い方をすれば、二階を載せた薬医門というほうが妥当だろう。ちなみに二階には鐘も太鼓もなく、ただの空洞になっている。
大きな花頭窓を付けた背高の姿は、この世のものとも思えない不気味さで、火星人の歩行戦車もかくやと思わせるものである。もっともその不気味さゆえにこの寺に立ち寄ることになったのだから、それなりの効果はあるのだろう。ただの薬医門であれば素通りしていただろうから。
そう言えば、南知多の光明寺でも似たような門を見たなあ。知多半島の特徴なのかもしれない。
寺は浄土真宗大谷派法通寺である。
通りから引っ込んだところにちゃんとした薬医門がある。表通りの櫓は、本当に寺を素通りしないようにするためのアイキャッチなのだろう。
右側に見える2階建ての建物は信徒会館である。
山門を入ると左側に、東司、水盤舎、鐘堂がある。
本堂は近代の建築だが、本瓦葺で生真面目な木造建築である。
本堂の右側には玄関、庫裏。
本堂の左側には二重塔があった。内部は納骨堂である。
目の保養になるような建物ではないが、寺マニアとしてはやはり塔を見つけると得をした気持ちになる。
塔は表通りからはまったく見えない位置にあるので、不気味な門に引かれて参詣してみてよかった。
二重塔と本堂の間には小さな向唐門がある。
向唐門を潜る。
その先は、
庭には茶室があった。
(2002年02月10日訪問)