加茂町広瀬地区はなだらかな斜面が広がる田園地帯だ。だが、この広々とした台地の周囲は切り立った急斜面で、高度差 300 m ほどの崖になっている。大げさにたとえれば、コナン・ドイルの古典SF「失われた世界」に登場するテーブルマウンテンのような地形なのだ。
その台地が南に張り出した細い岬のような場所に泉蔵坊という名前の寺があった。
名前からして宿坊のようだが近くに大寺もなく、詳細は不明。あるいは、地元の加持祈祷などを行う行者の家が寺になったものなのだろうか。
本堂は茅葺きにトタンをかぶせたような屋根で、この付近でみられる農家の屋根に近いが、下部は本堂っぽい造り。
本堂の左側には東司。右側には庫裏があった。
本堂の前にはRC造の鐘堂。
境内からの眺めはよく、北山の集落を一望できる。寺の付近は棚田になっていた。
(2002年08月26日訪問)