府中市を離れ、三原市を目指す。その途中でたまたま立ち寄った寺。なぜ立ち寄ったのかは、まったく思い出すことができない。道から寺が見えたことまでは覚えているのだが…。
おそらく、途中で眠気に襲われたか、トイレを借りたか、あるいは、府中市から三原市までは少し距離があるので途中で一ヶ所くらい立ち寄っておくことにしたのかのいずれであろう。
山門は四脚門で、腰長押もある豪壮な門だ。軒まわりは強い唐様の組み物で、二手先。彫刻支輪。
門を入るとすぐ本堂がある。
ぬれ縁をめぐらせ、幅広い階段のある構造は、浄土真宗寺院の本堂の特徴だ。
本堂の右側には玄関と庫裏。
玄関は少し下がったところにあり、向かい唐破風になっている。
本堂の左側の奥には、渡り廊下で接続した宝形の堂があった。名称は不明だが、勝手に祖師堂としておこう。浄土真宗寺院では、本堂左奥は祖師堂になっていることが多いからだ。祖師堂とは、他の宗派で言えば開山堂ということになる。その宗派を始めた宗祖が祀られている堂だ。
他の宗派では、このような位置には位牌堂、霊廟がくる場合が多い。
祖師堂の前には経蔵。
その前には鐘堂がある。
祖師堂、経蔵、鐘堂へと至る配置も浄土真宗の中規模寺院にありがちなパターンと言えそうだ。
他の宗派を思い出すと、禅宗の鐘堂は本堂から見て庫裏の側にあるケースが多いような印象がある。一度まじめに数えてみたらはっきりするかもしれない。
狭いながらも、浄土真宗らしい伽藍配置の寺であった。
(2002年08月26日訪問)