二葉山山頂から見えたもう一つの寺。ここにも行ってみることにする。
聖光寺という寺だ。
楼門はやけに横に長いRC建築。柱の数からいえば三間一戸楼門だが、印象としては四間二戸楼門と言ってもいいかもしれない。
一層の天井部分が格天井になっているなど、個性的な造りだが、確たる信念も感じられないのにとりあえず伝統を省略してみましたというような感じの建築に見えた。「ここまでするなら花頭窓など付けるな」と言いたくなる。
本堂もちょっと変わった入母屋屋根だ。
元来、母屋屋根のカーブは内部骨格でもある垂木のラインが表面に現われたものだ。ところがこの屋根にはそういう印象がなく、代々木体育館か目白のカテドラル聖堂の屋根のような外骨格的な印象を与える。
特筆すべきは軒下の垂木で、一本おきに長短があって、小口が電気かみそりの刃のように見える。キワモノ的な発想だが、楼門の中途半端さからみたらこちらの方が評価できる。(もう少し大きく写真を撮っておけばよかった。)
境内は背後には山を背負っているので、視界には緑が多く入ってくるが、参詣者が歩く場所と林は完全に分離されている。参詣者が歩く部分は全体的に舗装されていて、植栽もわびさびとは無縁な公園風だ。
舗装面からの反射で日焼けしそうだ。
背後の墓地に鐘堂が見えた。
(2002年08月29日訪問)