高浜は稚蚕飼育所巡りの最初の日に、どんど焼きを見に訪れた地域だ。その地に再びやってきた。
東高浜の稚蚕飼育所は、見た感じではかなりきれいに残っていて、他の用途にも転用された気配もない。
へたをしたら、現在も稚蚕飼育所として使われているのではないか、とすら思わせる。
壁面には、「昭和60年度、農林業地域対策事業高浜東部稚蚕共同飼育所」と書かれている。
昭和60年の定礎は、これまでに見てきた飼育所では最も新しいものだ。
外見からは稚蚕飼育所の特徴はあまりみられず、地図で確認していなければ横を通っても気付かないかもしれない。
屋根は軽量鉄骨のスレート葺き。
壁面の高い位置にいくつかの換気扇がついている。
近代建築で戸締まりもよく、内部の構造はまったくうかがい知れない。現在、群馬県内で稼働している現役の稚蚕飼育所と同程度の気密性をもっているのではないだろうか。
桑葉による飼育ではなく、人工飼料の飼育所だったかもしれない。
西側には消毒槽がある。
作業者の出入口。
配蚕口は2枚目の写真の扉だったのではないか。
ボイラー室。
電熱ではなく、重油で気象管理したのだろう。
近くに見えた養蚕農家。立派な屋敷森は、からっ風を防ぐだけでなく、薪や筍を取ったりもできるのではないか。
赤い壁の大きな建物は蚕室だろう。
(2007年05月05日訪問)