2012年4月、榛東村に用事があって出かけた帰りに立ち寄った飼育所。
ここは、新井稚蚕共同飼育所と同じく、チェック漏れだった飼育所である。
厳密にいうと、チェック漏れだったのではなく、チェックしたが、「飼育所が取り壊されて、跡地に工場が建ったもの」と判断してしまったのである。
いまならば何とか飼育所だと判断できるが、かなり判断がむずかしい物件だ。2008年当時の私では無理もなかったと思う。
判断のキーポイントとなるのは、写真中央の、地下室への桑投げ込みシュートくらいである。
これがそのシュートである。
道からは見えにくい位置にあるため、車を降りてよくよくチェックしなければ気付かないだろう。
陸屋根で、比較的近代的な建物に見えるが、地下の貯桑場があることから、人工飼育所ではないことがわかる。
部屋の構造は空調大部屋方式で、おそらく、棚飼い、もしくは、箱飼い(トタン育)の稚蚕飼育だったと思われる。同様の構造の稚蚕飼育所が、愛媛県では現役で稼働している。いつか紹介できるだろう。
よく見れば、消毒槽もあった。
配蚕口と反対の壁面には、稚蚕飼育所らしい特徴はほとんど見受けられない。
めずらしく、宿直室が外からのぞけた。
住めそうな感じの飼育所だ。
(2012年04月26日訪問)