私が高校のころはもちろんまだインターネットがなく、神社仏閣の情報はわずかな書籍に頼るだけだった。その後、群馬県では宗派別に中小寺院を紹介するガイドブックも出版されたが、私が群馬で主にお寺を見てまわっていた時代にはそういった便利な本もなかった。地図を見て「この寺はなんとなく良さそうだ」と思ったら、自転車を遠乗りして確かめに行くしかなかったのである。
長源寺はそんな時代に訪れた寺のひとつだ。1/25,000 地形図でこの寺を見ると、谷の行き止まりにあって、名刹っぽい立地といえる。当時ならばまちがいなく「この寺は風情がありそうだ。楼門か坐禅堂くらいあるんじゃないか。」などと想像をたくましくしたことだろう。
実際の長源寺は、左写真のような様子で、群馬の禅寺としては、まあ風情はあるほうだと思う。
山門は薬医門。
室町時代に創建され、全盛期には180ヶ寺の末寺があった大寺だったというが、いまはその面影はない。
山門の石段を登る手前は駐車可能なスペースになっていて、そこに聖観音がある。
石段を登って、山門をくぐると左手に鐘堂。
正面は本堂。
本堂の右手には庫裏。
本堂の中は見えなかったが、正面の戸をあけたらその先は狭い土間になっていると思われる。禅宗の本堂の特徴である。
境内にはほかに東司があった。
(2010年05月04日訪問)