稚蚕飼育所巡りの過程で、飼育所がなくなってしまっているいわゆる「空振り」のスポットは、ページで紹介した飼育所の倍くらいはあったのではないか。これまで、そういう場所はいちいち書いてこなかった。また「飼育所とはこういうものだ」という鑑定方法は何度も書いてきたが、「これは飼育所ではない」という例は紹介してこなかった。
そこで、一度だけ空振りスポットの例を挙げておこうと思う。
これは、上高瀬稚蚕共同飼育所があった場所に建てられている、上高瀬公会堂だ。
建物の外観はほぼ飼育所と似ている。区別できるのは南側にたくさんの引き違い戸があり開口が多いこと。また、切妻の妻側に開口がないことが挙げられるだろう。つまり建て替えられて、跡地が公民館になっているのだ。
飼育所の跡地はこんなふうになっている場合が多い。
公会堂の西側には広場があり、草野球のグランドになっている。ざっと見たところでも30アールくらいはありそう。ここは昔は共同の桑園だったのではないだろうか。
広場の一角で見かけたパワーショベルの遊具。
同じものをやはり富岡市内で見たことがあるので、一点モノではないようだ。本物のパワーショベルと似たような動きをさせることができる。
同じく、近くで見かけた養蚕農家。
地下室のような部屋がある。いまはトラクターの車庫として使われているが、本来は貯桑室だったろう。
(2008年07月12日訪問)