川久保南稚蚕共同飼育所

並列型の大型飼育所。貯桑場への投げ込み口がある。

(群馬県甘楽町善慶寺)

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甘楽町は細長い形をしていて、その形はほぼ雄川(おがわ)という川に沿っている。これから日が暮れるまでの時間で、その雄川にそって南下していく。

南稚蚕共同飼育所は、善慶寺という字にある大型の飼育所だった。一見して、ブロック電床育の並列型の飼育所だとわかる。

小屋は軽量鉄骨トラス、内部の室は取り払われて、広々とした倉庫になっていた。

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西側には、作業者の玄関、屋内トイレ、宿直室などがある。

玄関の左側に見える小部屋は、作業者の更衣室ではないかと思う。

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特徴的なのは、建物の北側に天井が低く、窓のない部屋があることだ。

先ほど立ち寄った、上田篠の飼育所にも似たような間取りがあったし、観音山丘陵では大鳥中野殿の飼育所にも似たような構造が見られた。おそらく貯桑室だと思う。エアコンが取り付けられているが、桑葉の鮮度を保つためのものだろうか。

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この部屋の壁には、謎のフタがついている。

似たようなフタは、吾妻郡の東西部の飼育所で見たが、用途は不明だ。

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東側には配蚕口と、車寄せがある。

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この車寄せの部分には、桑を投げ込むためと思われる扉がある。

低い位置についているので、おそらく室内は半地下になっているのだろう。

(2008年07月12日訪問)