那須集落の中央に、木造校舎が見える。秋畑小学校の那須分校だ。
いまでも存続しているめずらしい木造の分校である。
ただし、これから紹介するのは学校そのものではなく、学校の右側に見える赤っぽい屋根の小祠になる。
遠景でみると大した斜度にみえない場所だが、実際に行ってみれば道路はびっくりするような傾斜だ。
学校の横には道を隔てて2つの堂がある。
道の右側にあるのが馬頭観音(左写真)。
道の左側にあるのが与一八幡だ。
石段と道路の舗装面の角度を見れば、この道がいかに急坂かわかるだろう。
馬頭観音は一間社流造の木造の祠。
板葺き屋根が直線的で、宮大工の仕事とは思えないが、逆に荒々しくて凄みのある祠だ。
この祠にはいろいろと不思議なものが奉納されている。
向拝の中央にはマユ玉のような団子。
そして向拝柱の上部にはノビルと思われる植物が束になって縛りつけてある。こうした臭いの強い野菜がお供え物にされるのはあまり聞いたことがない。
祠の左右にはケズリバナのようなものが置かれていた。
面白いのは祠の真下に、マンホールのフタみたいな円形の石があることだ。これがご神体なのだろうか。
道路の左側には同じくらいの建物がある。こちらが与一八幡と言われているもの。
内部にはやはり木造の直線的な流造の祠が納められていた。
「与一」とは、平家物語に登場する「
このあたりの地名「那須」に関連して、那須与一の伝説があるのだろうか。案内板などもなかったので詳細は不明。
与一八幡のとなりは秋畑小学校の那須分校。
現役の小学校なので、中には立ち入らず、校庭の端から写真を撮るだけにしておいた。
(2009年04月30日訪問)