東部稚蚕人工飼料飼育センター

建物の平側に配蚕口らしき開口部がある飼育所。

(群馬県高崎市吉井町多比良)

写真

人工飼料による稚蚕共同飼育所があったので、外観のみ写真を撮った。

壁面に書かれた文字をみると、「群馬吉井町農協東部稚蚕人工飼料飼育センター」とある。あまりにも文字数が多く、当サイトの見出し部分のレイアウトに入りきらないので、見出しは一部を省略した。続く文字は「昭和60-61年度 地区再編農業構造改善事業 群馬吉井町農協稚蚕人工飼料飼育施設」とある。なお、右上の地図のリンク先で現在の名称は「JAたのふじ東部稚蚕人工飼料飼育センター」となっている。

このとき、すでにこの施設は使われていなかったのではないかと思う。ただし、過去に小野の飼育センターのレポートで同じように「たぶん使われていないのではないかと思う」と書いたが、実は小野の飼育所はあの時点では使われていて、しかも西毛地区で最後まで残った飼育所となった。外見だけでは判断はむずかしいと知った。

さて、この飼育所の特徴だが、一見すると小野の飼育所と同じような印象を受ける。だが、小野の飼育所は建物の妻側に配蚕口や飼料の搬入口があるのに対して、この飼育所でそれらしき開口部が平側にあるなど、設計の違いが見て取れる。

配蚕口が一つしかないということは、飼育室も1室タイプの飼育所なのだろう。飼育室の様子については、碓氷安中の飼育所では3室あったことを紹介したが、ここはその1/3の飼育規模だったという推論だ。

(2008年12月28日訪問)

復興建築 モダン東京をたどる建物と暮らし (味なたてもの探訪)

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栢木まどか (監修)
関東大震災後、現代の東京の骨格をつくった「帝都復興計画」と、未曾有の災害から人々が奮起し、建てられた「復興建築」を通して、近代東京の成り立ち、人々の暮らしをたどります。

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