白石下郷の稚蚕飼育所。持っていた 1/25,000 地形図と道路が付け変わっていたたため、少し迷って到着。
建物は自然採光がほとんどない両袖型の建物だった。現在は、日本生物化学株式会社という会社の建物になっている。これまでに見た両袖型の建物としては、吉岡町の中町稚蚕共同飼育所がある。おそらくここも建物の中央に挫桑室があり、その下に地下室がある構造だと思う。
採光のない外観からは、大部屋方式だったろうと推測ができる。
これまでにみた大部屋方式の実例としては妙義町の大久保稚蚕共同飼育所があるが。しかしこの例のように両袖型かつ大部屋という建物は記憶にはない。初めて見たタイプだ。
稚蚕飼育所ではほとんどの場合、宿直室は建物の端にある。そして宿直室の反対側の端は配蚕口になっている。
両袖型の飼育所では建物の両側に配蚕口があり、飼育面積は広くなるが、反面、宿直室を作る場所がなくなるという欠点がある。建物の中央に宿直室を作ることは、作業動線と防疫の関係から望ましくないからだ。おそらく両袖型の飼育所では別に宿泊できる場所があったのではないだろうか。ここでは飼育所の隣に、公民館があり、ここが宿直室を兼ねたのかも知れない。
(2008年12月30日訪問)