新堀神社に参詣した帰り道に、友人が「何かこのへんで見るものでもない?」というので、力丸城跡に寄ってみることにした。
前橋市南東の力丸町にあったとされる中世の平城の跡である。ちなみに城跡といっても、ほとんど見るべき遺構は残っておらず、ほぼ心眼観光となる城跡だ。
記念碑が町の中に建っているが、案内板や縄張り図などはない。
あとで縄張り図をみて知った、主郭があったとされる付近。
うん、ほとんど何も感じない。
城の堀の一部だったと思われる三面コンクリートの用水路。
水に降りるための階段があり、洗い場となっているようだ。
ここは縄張りの外れのほうで、堀の痕跡かと思われるもの。
これまで前橋南部の環濠屋敷をいくつか見てきた経験からすると、この力丸町という字は環濠屋敷が集まってできた町に感じられる。
道も館跡と思わせる構造であり、見どころが多い。
たとえば、突き当りが多いこと。町内を東西、南北に直線で抜けられる道がなく、すべてT字路で行き止まりになっている。
町内に出入りする道路が町内の道路と食い違っていて、中が見通しにくくなっている。
これも食い違いのひとつ。
圧巻なのは、町内の北東部にある曲がりくねった道。
直角の折れ曲がりが4回もある稲妻型のジグザグ路地で、さながら迷路のようだ。
町の中央にある不自然に広い道路。城下町の商業地区だったのではないか。
道路の中央に水路があったのではないかと思われる道の広さだ。・・・違うんだろうけど。
前橋南部は、こうした中世の名残ではないかと思われる道が多くて本当に面白い。
(2015年12月20日訪問)
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