エインドゥ町を過ぎると、AH1号線の両側には水田が目立つようになる。
この季節、ところどころで田植えをしていた。
湿田というほどは深くはなく、水はふくらはぎほどしかない。植える間隔がとても広く見えるのはなぜなんだろう。上手な人が基準となる苗を植え、他の作業者があいだを植えていくという方式か。
その水田の中に独立した丘陵がある。西側はとくに切り立っていて、ミャンマー人としてはパゴダのひとつも造らなければ気が済まないというような岩山なのである。
そしてそのふもとには沼があり、白い屋根付橋が見える。ロンニャ沼だ。
岩山の上には、案の定、金色のパゴダと展望台らしきものが見える。
ロンニャ沼は、パアンっ子であれば誰でもその名前を知っているような観光名所らしい。
道端から橋懸かりがあり、浮御堂があった。
こういう浮御堂では、日本では弁天様が祀られていることが多い。
ミャンマーでは弁天ではなく、シンウーパゴというお坊さんの像が祀られていることが多いのだが、ここでは釈迦が祭られていた。
シンウーパゴは釈迦の堂のすぐ裏に、ちゃんといかだに乗って浮かんでいた。
シンウーパゴのポーズは、午前中に悪霊を退治していたために食事に遅れてしまい、時刻(つまり太陽の角度)を気にしながら食事をしている姿だと言う。ミャンマーの僧は、昼を過ぎたら食事をしてはならないのだ。
太陽の角度を観察する姿から、船乗りたちの信仰が厚い。
沼にはもう一本、長い橋がかかっている。全長は200mはあるだろう。
ここが観光名所であり、カップルがデートしていたり、若者が記念写真を撮っていたりする。
橋の中間点には休憩の小屋がある。屋根付橋の一種として認定していいと思う。
外見から2階に上れそうだが、残念ながら階段はない。もし登れたら「2階建ての屋根付橋」となり、屋根付橋のランクとしてはかなりアップするだろうに。(当サイト独自基準)
屋根付橋の後半。
沼は水面にはイネ科の植物がモシャモシャと繁茂しており、ところどころにはジャンボタニシの卵がグロテスクに産み付けられてる。ハスでも植えられていたらきれいかなとも思うがこれはこれでいいのかも知れない。
橋の終わりにももうひとつ小屋がある。ここは階上に2羽の鳩の像が載っている。
橋を渡り切ると、奥にこの沼の水源が見えてくる。
沼全体はあまり水がきれいではないが、この水源付近は青々として清廉な泉になっている。
当然、パアンっ子は泳がずにはいられないロケーションである。
実は翌日、偶然にもこちらの方面に仕事で来ることになった。
職場の若い子たちも一緒だったため、仕事を終えた帰りにまたここに寄ることになった。
ここからの写真は翌日のものになる。
泉に到着すると一番若い女の子が迷わず水に入る。
もちろん服は着たまま。仕事の帰りなので水浴びの準備をしていたわけではないのである。
このあたりの思い切りの良さには感心してしまう。
ハリウッド映画などで、南の島に漂着したヒロインが泉で水浴びをするというようなサービスシーンがあるが、まさにその風景が目の前で展開。
これを楽園といわずしてなんと表現したらいいのか。
また人魚像があった。
コウカッタン水浴場にもあったので、ミャンマーでは定番なのか。人魚って仏教的なものじゃないよね?
なお、岩山にも登れそうだったが、雨季で滑る場所もありそうなのでやめておいた。
標高差は目測で100mはなさそう。20分もあれば登れると思う。
いつかここに登ることがあるだろうか。
(2014年07月13日訪問)