気球祭りが行われたその日、パアン市内の独立記念公園では別の祭りが行われていた。毎年11月ごろには、ダディンジュとダザウンモンという2回の満月祭があり、この日はダディンジュの満月祭。と同時に、今年は「カレン州の日」も隣接しているため、カレン州祭りも並行して始まっているのだ。
カレン州の日にこの公園に
開場時間に行ってみたら、メインゲートではオープニングセレモニーが開催中。州首相(州知事に相当する)の開会の挨拶があり、ブラスバンドの演奏があった。
セレモニーが終わるまでこちらのゲートからは入場できそうにない。
敷地の北東角にあった別のゲートから入ることにした。こちらは人もまばら。
入口付近には清涼飲料や歯磨き粉の展示販売所があり、試供品をバンバン配っている。
ああ、なんか日本でも昭和のころに、地方でもこういう産業祭りみたいなのがあって、パレードが出たり試供品まいたりしていたなあ。
公園の半分くらいはテントで覆われていて、中には日用品などを売る店がひしめいていた。
これはナタだけを売る店。
柄は付いておらず、自分で適当に取り付けるのがミャンマー流。地金を叩いて形にしただけのなまくらな刃物。
スコップも刃先だけが売っていて、自分で適当な木を差し込んで使うのだが、持ち手がなくて使いにくい。
寝具店。
カレン州の人の寝室をのぞいたことはないが、こんな毛布を敷いたりかぶったりして床の上に寝るのが普通ではないかと思う。かつて僧院での寝所の様子を見せてもらった。
もちろん、金持ちになれば床にマットレスを敷いたり、ベッドを買ったりする。
気球祭りで気球にぶら下げていたのもこの毛布だ。
オモチャ売り場には、リアルな銃の玩具が妙に充実している。
カレン民族のモチーフのTシャツ売り場。
カレンの旗や戦鼓の柄が多い。書かれている文字もビルマ語ではなくてカレン語かも知れない。
私も一度買ってよく着ていたのだが、10回も洗濯しないうちに濡れた段ボール紙みたいにぼろぼろに裂けてしまった。まあ値段は200円くらいなので仕方がないだろう。長期で旅行する場合は、どんどん着潰していくのがいいのかもしれない。
独立記念塔。
公園はぼほ200m四方の正方形で、塔はその中心に建っている。
独立記念塔の前には、カレン州の行政の事業や文化を紹介するブースが並んでいた。
ここは農産物についてのブース。
水産物についてのブース。
ほかにも建設中の道路や学校などの案内もあったが、パアンっ子にはあまり人気なし。
「
カレン民族の文化を紹介するブース。
民族衣裳を着たお姉さんがお出迎え。
たぶん、カレン民族の名士たちの紹介。
カレン民族の楽器の紹介。
日本の雅楽の楽器を思わせる。どういう音楽が奏でられるのか聞いてみたい気がする。
戦鼓「カレンドーン」。
かつて戦の合図に使われた銅鼓である。
博物館から持ち出した本物ではないかと思う。
くぎ隠しと思われる3匹のカエルの意匠がある。これは王家だけが使えるものだという。
またこのカエルの向きで、戦鼓なのか音曲のための太鼓なのかを見分けられるというような話も聞いた。
腰でテンションをかけながら織ってゆく原始的な機だ。
特徴的なのは、
機織りの準備工程に「
機織りではヨコ糸を通すためにタテ糸を規則的に上げ下げしなければならないがその仕組みを「
この糸綜絖は、整経時にタテ糸をひと巻きするごとに、一緒に挟み込んでゆく。つまり、整経が終わった段階で、綜絖通しも終わっているというとても合理的なものなのだ。
敷地には移動式の遊園地が来ていた。
これは観覧車。おそらく遊園地で一番人気の乗り物である。日本ではのどかな乗り物だが、ミャンマーではどちらかというと絶叫系の乗り物なのだ。これについてはあとで改めて紹介しようと思っている。
メリーゴーランド。
お子様向け。
これも子どもが振り落とされるかどうかというギリギリの高速回転をするため、たぶん乗り続けると気持ち悪くなると思う。
フライングパイレーツ。
昼間なのでまだあまり乗る人がいない。
遊園地がにぎわうのは夜らしい。
トランポリン。
他に、室内ゴーカート、バルーン式滑り台があった。
会場の半分くらいをしめる野外ステージでは、ダンスチームが踊りの練習をしていた。村々や学校などのチームが夜、ダンスを披露するのだ。
その拍子は、徳島県の阿波踊りのぞめきを思わせる。
この音楽がカレンの伝統的なものなのかはわからない。もっとも、阿波踊りも古典芸能のように歴史が長いわけではないのだから、ダンスは時代に合わせて変化していくものなのかもしれない。
ここまでが祭りの昼の様子である。この日は夜にもう一度訪れたので、夜店の食べ物を中心に夜の祭りの様子も紹介しようと思う。
(2014年11月07日訪問)