ヤンゴン出張からパアンに戻って最初の日曜日。そして同時に、今回のミャンマー滞在でパアン市で過ごす最後の日曜日でもある。
先々週の土曜日にノゥトゥディ山脈の東麓を巻いたので、きょうはノゥトゥディ山脈の西麓に出かけることにした。ノゥトゥディ山脈の西麓は、東麓と違って山麓を巻く道がないので、なるべく山に近い道を通りながら南下してみる。
もうパアンでの仕事は最後かもしれず、悔いのないようにこのエリアを見尽くしておきたい。
AH1号線をコーカレイ方面に南下。市街地から7kmほどいったところに、左手に里門がある。
こうした門は、となりのモン州モーラミャイン市方面に数え切れないくらいあるが、カレン州には少ない。パアン市周辺では10箇所もないであろう。きょうはこの道を入って、山脈に寄せていく予定なのだ。
里門の下はコンクリ製のベンチになっている。そのベンチの背の部分が建物の布基礎を兼ねているという、合理的な造りだ。
「里門」は厳密に言えば、村への出入り口の門なのだが、この門には切妻のところに仏旗が貼ってある。ということはお寺の山門なのかもしれない。
しばらく行くと道は付き当たりになり、小さなパゴダがあった。
パゴダは塀に囲まれており、二頭のナーガによって守られるようにデザインされていた。
パゴダ自体は、基部が鱗状八角形で上部が丸。ヤンゴンのシュエダゴンパゴダを小さくしたようなデザインである。
八方に小さな祠があるので、八曜日の守り本尊を祀っているのだろう。
パゴダとペアのタコンタイは、全面にモザイクが貼り付けてある毒々しい意匠だった。
てっぺんの鳥も、メカっぽい。
面白いのは、石柱の基壇が水槽になっていて、水が溜められること。
しかもその周りをナーガとカエルが守護しているのである。
造形は・・・似ているような、似ていないような・・・。
これが、ミャンマーの実物のガマガエルである。
(カレン州パアン市内で撮影)
パアン市の名前は「カエルが(宝玉を)吐き出して、(それを天の神タジャーミンに与えた土地)」という意味である。
当地ではカエルは聖なる生きものだとされていて、寺の境内では日本の狛犬のような扱いになっていることがある。
左写真はミャンマー滞在中に見かけた新聞の記事。
見出しにはたぶん「カエルがヘビを食べる奇跡」みたいなことが書いてある。
パゴダのすぐ横には僧院がある。
パゴダとは別の寺なのかもしれないが、こちらは山門に名前が書いてあるので、見出しはこの僧院の名前とした。
庭木や芝生もきれいにしつらえられ、明るい色使いの清潔な感じがする僧院だった。
(2014年11月23日訪問)