
ピンウールィンの市街地の東部の丘陵は、コロニアルスタイルの洋館の多い別荘地である。軽井沢で言えば、旧軽地区のような場所。
その一角に道教寺院がある。名前は山門の扁額を見る限りは「天然宮」のようだ。

山門を入ると、正面には大理石製の弥勒さまがいる。

布袋様の後ろに隠れるようにあるのは、カラウェイ船。

内部にはシンウーパゴがいる。
シンウーパゴとカラウェイ船の組み合わせは初めて見た気がする。
しかも道教寺院なのにミャンマーのお坊さんという組み合わせが不思議。

本堂は日本でいう仏殿形式、というか中国でいう

内部は中央に釈迦、その横に弥勒や孔子(たぶん)が祭られている。

おみくじコーナーがあった。
真鍮の筒に竹串がたくさん刺してあって、それを振って出てきた1本がくじの番号になっているというもの。
通訳さんは占い好きのミャンマー人としてこれを素通りはできないようだ。
通訳さん独身なのに「待ち人来らず」みたいな残念な判じが出ていた。

どうしてくじの内容がわかったかというと、片面に繁体字の中国語が書かれているため。
これは私が買ったくじ。

もう片面はミャンマー語になっている。
同じことが二ヶ国語で書いてあるのかな・・・。

境内の左側には六重の塔がある。

自由に登ることができる。
だが、まるで公園の展望台的な雰囲気。

階段は手すりもしっかりしており、登って怖い感じはしない。

1階から5階までの室内には何もない。
塔の逓減(上層に行くにしたがって平面が小さくなる)もなく、同じようなフロアが続くだけで面白くない。

最上階には釈迦やら弥勒やら孔子などが祀られていた。

最上階から境内の入口側をみたところ。
参道の両側に黄色い屋根の六角堂の浮御堂があり、左側(手前)が六重塔、右側(奥)が
食堂はミャンマーの寺で一般的な無償提供なのか、あるいは、寺付属の有料のレストランなのかは未確認だ。もしかしたら有料かも知れない。

本堂の裏側のほうを見る。
丸い穴の空いた門が見える。「穴門」という形式の門だ。
その先のクリーム色の建物には、「講道センター」みたいなことが書いてある。講堂であろう。

仏殿の真後ろにはコロニアルスタイルの洋館。
病院ではないかと思う。
この寺は病院を運営しており、後ろに見える白っぽい建物も病棟のようだ。

参道の左右にある浮御堂。
中国寺院でよく見かけるが、この伽藍の目的は「休憩」でいいのかな?

食堂。

食堂の前にあった小さな池。
手すりが竜の形になっている。

同じく、食堂の前にあった小さな築山、あるいは、大きな盆石。
須弥山だろうか。
すばらしすぎる。
山に登るための石段が細かく作られていて、見飽きない。
これ、ぜひウチの庭にもひとつほしいんだけど。

仏殿の後ろにある洋館。
扁額には「樹人堂」と書いてある。

洋館の横に門があり「天然醫務所」と書かれている。病院である。
寺が病院を作ったのか、病院が寺を作ったのか、どちらなんだろう。

境内の右奥には公園があった。

ミャンマーの公園でたまに見かけるアスレチック遊具。
棒につかまってブランコ状の板に乗り、大腿筋を鍛えるためのものだと思う。
両側のハンドルは上腕筋を鍛えるためのものか。

円盤に乗ってウエストを引き締めるためのもの。
ミャンマーという国はどことなくルーズな感じがあるけれど、公園に妙に意識高い系の遊具があるな。

そして公園の奥のほうには、さらに意識の高そうな築山が見える。

龍とゴールデンロックが合体したよく訳のわからない築山。
道教的といえば、道教的なのかも知れない。

口の中を覗くと奥に部屋がありそう。

横に内部ヘの入口があったので入ってみたが、どうということはなく、ただ地下道のような通路になっているだけだった。
(2015年05月05日訪問)