ピンウールィン市の南のはずれ、ピンウールィン空港の近くのポウントゥ村。
日没の時間になりつつあったが、タクシーの運ちゃんがカゴ大仏があるというので出かけてきた。
もっともミャンマーでは日没に近い時間であっても、寺参りはまったくOKなのである。参詣用の寺だと夜でもやっているところも多い。
GoogleMapsによれば、お寺の名前はニーパヤー。
「ニー」は竹で「パヤー」は寺なので「竹寺」である。現地で聞いたフルネームは「スータンピニーパヤー」で「願いのかなう竹寺」の意味。
二間一戸の山門をくぐって300mほど行くと、広い駐車場に出る。
正面にあるのは巨大な講堂と思われる建物。
ひとまわり小さくしたようなお堂もあった。
こちらは旧講堂か。
駐車場の周りには、ミャンマー人向けのお土産物屋さんが並ぶ。
食堂や茶店もあるので、現地人メニューでよければお参りがてら食事もできそう。
カゴ大仏は巨大な建物の中にあるのではなく、丘を登ったところにあるらしい。
手前の石段のところで履物を脱いで、階段を上がろう。
階段の上は屋根がついており、地面が焼けることもなく安心して裸足で歩ける。
回廊の中にも土産物屋があり、シャツなどを売っている。土産物屋といっても、売っているのは実用品だ。
途中の花屋でお供え用のジャスミンを購入した。
菊なども売られていて、これらの花も奉納できるのだろう。
丘の上に出た。
低い丘だが、頂上になるので周囲がよく見える。
回廊を出たところにはタコンタイがあった。
丘の上の伽藍は、駐車場のところにあった巨大な講堂にくらべるとこじんまりとしている。
鐘つき柱はいくつも並んでいた。
先に紹介したシュエニンティパゴダでもこんな感じで鐘が並んでいたな。
最初にあった地味なお堂。
内部は三体の仏像があった。
仏像の前に置かれていたタイネンシン。
「タイ」というのは宝の国、日本でいうと竜宮城とか鼠浄土みたいな感じの場所か。タイネンシンはその宝を守り、また、人に宝をもたらす神様とされる。緑色の衣裳を身に着けているのが見分ける特徴だ。
仏陀の像よりもたくさんのお供え物が置かれていた。このようなバナナとココヤシの盛りカゴは、ナッ信仰でよく見かける供え方だ。
三仏堂の横には四角のパゴダ。
基壇の四角の部分は中には入れなそう。
パゴダの先に電光掲示がある建物があった。
頂上にはもうこの建物しかないので、大仏はこの中にあるに違いない。
入ってみると、なんだか中途半端な場所に大仏は安置されていた。
電光掲示板や電飾光背の輝きを反射して、ギラギラ光る黄金のカゴ大仏だ。
サイズとしては丈六仏ほどで、ギリギリ大仏といえるサイズ。
あーっ、ミャンマー人のおばちゃんたちは花束を持ってきてる。下の花屋で買ってきたに違いない。大仏の前には花びんやバケツがあって、そこに花をお供えできるのだ。
こうやって両手に挟んで跪拝するのか。これ、男性がやってもいいのかな? いつかやってみたい。
たぶん花束は300円くらいするのではないかと思う。
大仏はウエストがくびれて、エキゾチックなお顔。
背後には巨大な電飾光背。初めてミャンマーを訪れると面食らうが、いつのまにか不可欠なものに思えてくるから不思議だ。
電飾光背はお寺だけでなく、ミャンマー人の家の仏壇などにも設置するので電器店で売っている。
このくらいのサイズになると、3~4万円はする。
これは金色が塗られるまえの姿。
これを作ったのはシャン民族の人で、夢のお告げによって個人で造営を始めたのだという。2004~2005年にかけて作り上げた。
そのうち自然に寄進が集まり、この寺ができたのだそうだ。
写真ではテントのようなところに収まっているが、いまではRC造の立派な建屋になった。
托鉢もカゴ造り。
ここにジャスミンをお供えした。
丘の頂上をひと回りしてみた。
本堂裏の人気のないところにはベンチもあるので、気候がよいときはここでカップルがいちゃつきそう。
ミャンマーではお寺はデート場所であり、本堂内の仏像の裏などで愛を語らったりするのだ。
仏像を清掃するための水場だろうか。
丘の北側には不思議な形をした山が見えた。
ミャンマー人もけっこう写真を撮っている。
南側。
人家が点々とある村の風景。
西側にはピンウールィン空港の滑走路が見える。
おそらく軍用で、民間の定期便などは存在しないだろう。
(2015年05月05日訪問)