ウィブラーパゴダ

小さな山に大雁塔のミニチュアがある。

(ミャンマーカレン州パアン)

カレン州滞在の最後の週となった。今回の仕事は派遣期間が短く、土日は3回しかない。祝日が1日あるのでそれを加えても休日は合計7日。7日間フルに外出しても、パアン近郊で行ってみようと思っている場所をすべてまわることはできそうにない。

そこで考えたのが平日、月~金曜の仕事が終わったあとの時間。4月末のいま、18時くらいまでは明るいので毎日1時間くらい近場のお寺を回れるのではないかと。

これから紹介するのは、最後の週の平日にチェックした場所のうち、まあまあ面白そうな寺々である。

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ラインブエ街道のパアン工業団地付近。

この右手に見える山には洞窟があるというような話も聞いているのだが、航空写真を見る限りではどうもそれらしい場所が見あたらない。周辺の道路も悪路で、容易には近づけない場所だ。

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だが先週チョントゥ滝へ行ったとき、車の助手席から景色を見ていて、白いパゴダを載せた小さな山があることに気付いた。

ラインブエ街道は自分のオートバイで通ったことはあるのだが、運転していると左右の景色にはなかなか気付かないものだ。

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場所はパアン工業団地の東の外れ。

入口にはゲートがある。

「ウイブラー山僧正、52歳セレモニー会場」

みたいなことが書いてあるらしい。

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ゲートを入った先は、まっすぐな道路。

工業団地を造成しているところだった。ほこりっぽいけれど、でこぼこの悪路でないのが助かる。

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ラインブエ街道から1kmくらい走ると、小山が近くなってくる。

街道からはわからなかったが、周囲から独立した小さな山、というか大きな奇岩だ。

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この奇岩の注目点は、まず一番高いところにある白いパゴダ。

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もうひとつは、途中のせり出した崖の上に建つ三重塔。

中国の西安にある大慈恩寺の大雁塔をモチーフにしたと思われる。

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小山の周囲は祭りでもやった跡のようにゴミが散乱していた。

ここでウイブラー山僧正の誕生日イベントやったのか。ずいぶん盛大にやったものだ。

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小山を回り込んで行くと、麓にも小さな金色のパゴダがあった。

そしてその奥には、洞窟のようなものが見える。

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以前に地元に詳しいミャンマー人に「ウイブラー山には洞窟がある」と聞いていた。

もしかしてこの小さな山がウイブラー山なのか。

地図でウイブラー山の位置を聞いたときには、背後にある大きな山を指差していたのだが、それは勘違いで、この洞窟が私が探していた洞窟なのだろうか。

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入口にある小さなパゴダ。

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洞窟の入口にある聖人紹介所。

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トラを連れている男の像は、これまでにも何度か見ている。すべて同一人物なのだろうか。

聖人というより、王様か領主のような感じの人だな。

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洞窟のほうへ行ってみる。

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洞窟というより、崖の岩陰のような場所であまり奥行きはなかった。

男たちがタイルの上に横たわって昼寝中。

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洞窟好きならば這って入りそうな支洞っぽい穴はいくつかあった。私としてはパス。

石段があるのでまだ上のほうへ行けそうだ。

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階段の先は岩場になっていた。洞窟の手前で履物を脱いできたが、これはとても裸足では歩けそうにない。

いったん洞窟の下まで戻り、履物を取ってきて先へ進む。

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細い岩の割れ目の中を登っていく。

レンガで作った簡単な足場があるので、なんとか登れる。

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その先で山頂へのルートはハシゴになっていた。

2本の竹を縦木として、穴に横木を差し込んであるという非常に頼りないハシゴだ。

雨ざらしなので風化しており、人の体重に耐えるかどうかも怪しい。さすがにここはやめておこう。

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もうひとつルートがあったのでそちらへ進んでみる。

途中にあった胎内くぐり。

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少し平坦な場所へ出た。

奥に手すりが見える。

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狭い鉄製のハシゴだった。

ルートは下へ続いている。

しっかりした造りなので壊れる心配はない。降りてみよう。

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ハシゴを降りた先は、崖の途中の大雁塔の場所だった。

正直、下から見たときはこの大雁塔へは行けそうもなかったのだが、ここまでこれたのはウレシイ。

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大雁塔の大きさは高さ4mほどか。(基礎含まず)

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この岩場には瞑想所のような場所があった。

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お寺の僧房が見える。

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北側にも何かパゴダのようなものを造っている。

その先の林の中に点のように見える黄色いパゴダは、以前訪れたティーリィミンガラ僧院だ。なんであのとき、この小山に気付かなかったのだろう・・・。

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私がいままで洞窟があると思っていた大きな山。

この山の中腹にもよく見るとパゴダが見える。

今回見たこの小さな山の洞窟は、洞窟と言うには微妙な感じなので、まだあの大きな山に洞窟がある可能性は捨て切れない。機会があれば丹念に探索してみたいものだ。

(2015年04月27日訪問)

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