パアン市の南東部、AH1号線のナンロン村の付近を通っていると、田んぼの中に小さな木造の橋が見える場所がある。
ただ、その橋が見える場所から実際の橋まではかなり距離があるため、どうやったらその橋の場所へ行けるのかわからない。これまでに2度、それらしい道に入ってみたのだがいずれも行き止まりで、橋の付近に出ることはできなかった。どうやら簡単にわかるような道はなさそうだということだけはわかってきた。
3度目の正直。今回はどんな細い道でも踏み入る覚悟で、橋を探しに来た。

注意深く道を探しながら走ったが、やはり入口は見つからない。もっとも、これまで2回も探したのだから、わかりやすい道を見落とすはずがないのだ。
唯一可能性として残っているのは、この青い屋根の家の裏の敷地。散水のホースが出しっぱなしのこの敷地だが、なんとなく通り抜けられそうな気がする。
家の前にオートバイを停めて入っていくと、住人が怪訝な様子で出てきた。

「この先に、橋ある?」
「あるョ!アッチだョ」
「やった~ここ通らせて!」
ついに、橋への取り付け道路を発見したのだ。
細い踏み分け道を歩いていくとやっと目的の木造橋がへとついた。家からは100m以上歩いただろう。

橋長は約100m。橋脚や橋床も手作り感にあふれ、上を歩くにも足を踏み出す場所を選ばないといけない。
下が草原なので気軽に歩けるが、ところどころ橋床が抜け落ちているところもあってスリリング。


橋の幅は45cmくらいしかない。
対向から人が来たら、すれ違うのは大変だろう。

暑季で田んぼに水がないが、雨季にはこの田んぼは水浸しになり一面の池のようになるのだろう。
もし田んぼに水のある季節にパアンを訪れる機会があったら、もう一度ここへ来てみたいものだ。

橋上から南側を見た風景。

ズェガビン山脈に日が沈む。
きょうはここまでだ。
途中でなにか食べて帰ることにしよう。
(2015年04月30日訪問)