パアン滞在の最初の週末。トンェイン町に行ってみることにした。
トンェイン町は、モーラミャインからパアンまでのサルウィン川航路の中間点の河港町だ。これまで仕事で一度、他の目的地を目指す移動の途中で一度立ち寄ったことがあるが、トンェイン町そのものを観光する目的で向かうのは初めてになる。
これまでの2回の訪問で、これといってビックリするようなスポットはないのはわかっているが、一度じっくり見ておきたかったのだ。この日はちょっと体調が万全ではなかったので、パアンから近い場所で体力的に無理せず一日をすごすにはちょうどよい距離の町だ。
トンェイン町を目指し、パアン・モーラミャイン街道を南下する。この街道はほとんどの区間で道の両側が並木になっている。
道路の両側はサルウィン川の後背湿地で、雨季にはかなりの面積が水没する。それでもパアンに近いあたりは畑が広がっていて、主に落花生が生産されている。ピーナッツはパアンの名産品なのだ。
ラッカセイ畑の先にはカレン仏教の聖地ズェガビン山が見える。中央の崖に見えるヒト形は、兄妹神の姿だという。
落花生は遠目には青々としているが、近くで見るとこんな感じ。それでも雑草はないし、土壌も軟らかく、カレン州としてはまずまずの圃場ではないか。
道端に茶堂があった。「茶堂」とは道端にある休憩所のような建物で、カレン州ではナッ神という精霊が祀られていることが多い。
そしてこのように街道から村へ入る枝道の入口などに作られている。
この茶堂には「標柱」が付属している。
この柱とよく似たものが寺院のパゴダにも付属していてそれは「ダゴン」と呼ばれるようだが、私はこの柱とダゴンは区別している。呼称はまだ決めかねていて、いまは単に「標柱」と呼んでいる。
これまでに見た標柱はいずれも柱の上にオシドリの像が載っている。
茶堂の横には井戸があった。
中を見ると水位はかなり低い。
自然堤防なのか。
またしばらくパアン・モーラミャイン街道を進むと、道路の反対側にオシドリを載せた小さなパゴダのようなものが見えた。
ここはトンェイン町へ入る枝道の入口にあたる。
これも標柱の一種ととらえていいのだろう。
横には茶堂がある。
その茶堂の奥にはナッ神の祠があった。
内部をのぞいてみたが、神像のようなモノはなく鏡と花びんが並んでいるのだった。
こうしたナッ神の祠は、日本の神道と似ている。
(2016年12月17日訪問)