うずしおふれあい公園の石製台

滑降面が御影石でできている大型台。

(徳島県鳴門市撫養町斎田北浜)

うずしおふれあい公園は鳴門市撫養の北部、斎田にある大きな公園。公園の外周はジョギングコースになっているが、あとはただ芝生が植えられているだけの市民がくつろぐための公園になっている。広々としていてとても気持ちがいい。

鳴門市の中心部撫養(むや)はもと撫養町で、塩造りや漁業を中心とした漁村だったのだろう。今でも市内の古い町並みは漁村の面影を色濃く残し、クルマで迷い込んでしまうとにっちもさっちも行かなくなる路地が多い。そういうコンプレックスもあってだろうか、鳴門市の新興地域(埋め立て地?)は広々と作られている。

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遊具は公園の南の隅の塚に集めてあって、独創的なものが多い。

左写真の右手に見える焦げ茶色のスロープは、木道を斜めにしたランニング用のサーキット。他にも船の伝声管のようなものがたくさん地面から突き出していて、声で遊んだり植物の声(?)を聞くことができる。

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その塚の中央部でいやがうえにも目立つのがこの御影石製の滑り台。

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この日も、他の遊具には子供がいなくても、滑り台には子供が集まって嬌声をあげて遊んでいた。

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この滑り台、滑降部が御影石でできている。滑降面が石製というのは初めて見た。

子供たちは靴を脱いで裸足で滑降部を登っては、滑り降りることを繰り返していた。台の左右には階段があるのだが、このほうが手っ取り早いのであろう。滑降部に砂が入らず、子供たちの服で磨き上げられるので滑降面はピカピカだ。

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滑降面は白っぽい御影石のパネルを並べて作られている。滑り始めと滑り終わりのR部分にはピンクがかった材質の異なる御影石が使われていた。

滑り終わる地面には、木材チップをシリコンで固めたような軟質のマットが並べてあった。このマットは公園のジョギングコースにも使われている。

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滑降面の御影石の拡大写真。手で触って見ると、墓石のように真っ平らではなく、多少でこぼこしていた。

摩滅によってそうなったのか、それとも、摩擦面を少なくするための工夫なのかははっきりしない。

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手すり部分は研ぎ出し仕上げになっていて丁寧に仕上げてある。

(2003年09月13日訪問)

建築用語図鑑 日本篇

– 2019/4/25
中山繁信 (著), 杉本龍彦 (著), 長沖 充 (著), 蕪木孝典 (著), 伊藤茉莉子 (著), & 2 その他
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