シンヤマ団地のガヴァドン

ガヴァドンの幼体のような形の石の山。

(徳島県三好市池田町シンヤマ)

徳島県北部を東西に横切る吉野川、その吉野川を遡ったほぼ徳島県の西のはずれに池田町がある。地理的には高知県への入口といった地勢で、交易で栄えかつてはタバコの産地であり専売公社の城下町的な町であった。昭和に高校野球で名をはせた池田高校はこの町の高校だ。

池田町の地名は独特で、カタカナが多い。イタノ、ウエノ、トウゲ、ハヤシ、ヤマダあたりは普通の土地なら漢字で書いてもよさそうな地名。旧中心街はマチ、新市街はシンマチと分かりやすい。駅の周辺はサラダ…。本来の表記は「更田」と思われるが、ほとんどの人はそうは思わないぞ。

紹介する町営シンヤマ住宅も決して誤変換ではないのである。

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公園では姉弟が遊んでいた。写真を撮ろうとしたら弟はポーズをとってしきりに写してくれとせがむ。いっぽう姉はトンネルの中に一度は隠れたのだが弟の様子をみてトンネルから顔を出した。天鈿女命に気を取られた天照大神というところか…。

この滑り台は上からみると三角錐のてっぺんを削って平らにしたような形をしている。そしてさらに三角錐の稜線を削って滑降部と登坂部を形成している。

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南側の面にはトンネルが開口しており、その横に謎の小さな穴があいている。

このアングルからみると富士山のようにも見えるのだが、私は「ガヴァドン」と命名。おそらく子供たちは別の名前で呼んでいるであろう。なぜなら子供たちはおそらくガヴァドンを知らないであろうから。

写真の右側が登坂部で二面ある。写真で見えているほうがカスガイ状フック。

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もう一面の登坂部はフラットになっていて、おそらく鎖場になっていたのであろう。

今では鎖を結びつけたと思われるポールが残っているだけである。

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ガヴァドンの上に立ってみる。右側が滑降部、左側がフックである。

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見回してみる。

今度は右側がフック、上側が鎖場である。

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トンネルの中を覗いてみるとどうやらトンネルはカーブしながら両側面を貫通しているようである。

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しかも驚くべきことに、トンネルの途中には小部屋があった。南側側面に開いている小さな穴は小部屋の採光のためのものだったのである。

石の山のこうした小部屋は、中でヤンキーがシンナーを吸ったり、中高生のカップルが事におよんだりするものだから、結局ふさがれてしまう事が多いように思うが、このガバドンの内部では創建当時のままの状態で残っている。

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もし私がこの遊具のデザイナーだったとしたら中高生が中で事におよぶのなどは百も承知で、とぼけて図面を引くにちがいない。これは子供の遊具であると同時に、自分の部屋が持てない団地住まいの少年少女が大人へと脱皮するための装置でもあるのだ。

シンヤマ住宅で育って都会に出ていった人たちが故郷のガヴァドンを思い出すとき、きっとその胸には甘くほろ苦い記憶が去来することだろう。

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滑降面は白色の研ぎ出し仕上げになっている。

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公園のほかの遊具を見ていこう。

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なんといってもまず気になるのがこの遊動円木。

現時点で使用可能であった。

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少しディテールを写しておこうと思う。

チェーンの吊り部分。

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サドルへの取り付け部分。

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グローブジャングル。

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ガヴァドンの周りには、ゾウ、ライオン、クマのライド。

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北海道土産がでかくなったようなライドだ。

(2003年09月21日訪問)

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