宇多津臨海公園と復元塩田

公園内に塩田が復元されている。

(香川県宇多津町浜一番丁)

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坂出市と宇多津町は市街地が近接していてひとつの地域のように感じるが、瀬戸大橋に関連する園地はそれぞれにある。さっき訪れた瀬戸大橋記念公園は坂出市で回転式展望台「瀬戸大橋タワー」があり、ここ宇多津臨海公園エリアにはエレベータ式の高層展望台「ゴールドタワー」がある。

これだけ近い場所に橋見物のためのタワーが2つも要るのか・・・。さらに対岸の岡山県側にも回転式タワーがある。瀬戸大橋バブルとしか言いようのない施設が密集している場所なのだ。

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宇多津臨海公園には帆船をイメージした遊具があった。名前は「わんぱく丸」。

三本マストでマゼランのビクトリア号などをイメージさせる外観だが、マスト3本とも横帆だけで構成されているのがやや不自然。

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滑り台はローラー滑り台ひとつだけだが、舳先にも登れるたり、ネットクライムでマストに登れるなど、より帆船的な要素が充実しているのは評価できる。

海賊船ゴッコをやろうと思ったら、かなりノリノリで遊べそうだ。

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園内にはほかに木造の複合遊具があった。

木造の遊具って、木であることのメリットがあまり活かされていない場合が多く、逆に高層化しにくいとか曲線が使えないなどデメリットもあると思う。この遊具もあまり楽しそうじゃない。

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この公園の海岸沿いには、かつてこの地域にあった塩田を復元した施設がある。

西浜第1公園の塩田遺構から比べるとかなり本格的だ。

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名前は仲桝塩田。入浜式塩田で50ヘクタールの面積があった。

塩田に海水を引き込むための水門が移築されている。石製の水門としては日本最大とのこと。

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明治期の水門だという。

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塩田は四角く作らた水路に海水を注入し、その内側の地盤に海水を浸透させ自然蒸発させることで塩分濃度の高い砂にする。

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中央に沼井(ぬい)台という流し台のような濾過装置があり、そこに塩分濃度の高い砂を入れ、さらに海水をかけて砂に含まれている塩分を流す。

沼井の底には濾過層があり、濃縮された塩水は土管を通って集められる。

その濃くなった塩水を「鹹水(かんすい)」という。

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これは集めた鹹水を汲み上げるつるべ。

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鹹水は濃縮台に流されてさらに濃度を上げる。

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いまは使われていないので、きれいに見えるが使っていたときは塩の結晶で真っ白になったことだろう。

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こうして濃度が高まった鹹水は最後に釜屋という施設に送られ、釜で煮詰めて塩にされる。

瀬戸内には塩の産地がいくつかあり大量の薪を消費したため、瀬戸内の里山は伐採圧力が強い時代が長く続いた。そして戦時中にも森林資源を過剰に消費したため瀬戸内の多くの山がはげ山になった。

いま私たちが見ている緑豊かな山の風景はせいぜいこの50年くらいに復元された森なのだ。

(2004年10月11日訪問)